タイタンオオウスバカミキリ(Titanus giganteus)は、昆虫綱の鞘翅目カミキリムシ科に属する、カミキリムシ。
本種は世界最大のカミキリムシとして有名であり、世界最大の甲虫のひとつである。その体長は成虫で最大167mmに達する。世界最長の甲虫として知られるヘラクレスオオカブトは175mmに達するが、大型個体の体長の半分は角が占めており、本種のほうが本体はずっと大きい。
ウスバカミキリ類の特徴である前向きの大顎を持ち、カミキリムシの特徴である長い触角は、体長の半分ほどしかない。生態には不明な部分が多く、幼虫は見つかっていないが、成虫の体長から25cmに達すると推測されている。他のカミキリムシや大型甲虫の例からも、幼虫期間は3年かそれ以上と考えられている。
和名ではその大きさから、低年齢向けの昆虫図鑑等では、オバケオオウスバカミキリとも記載されることがある。
ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ギアナ各国、北部~中部ブラジルに分布する。
世界最大のカミキリムシとして有名であり、その希少性からも現地民に現金収入のため乱獲され、標本用に高額で取引されている。また、他のカミキリムシのようにその幼虫が、現地民に食用とされていた歴史もある。また本種の生息には広大な熱帯雨林が必要であると考えられ、開発による生息地の森林破壊も本種の個体数減少に関わっていると推測されている。
本種の採取方法はライトトラップで得られた個体がほとんどである。これはヘラクレスオオカブトと同じく、生息地が奥深く危険地帯であることと、その生息環境がよく分かっていないことに所以する。